ロボティクス業界が近年、大きな話題を集めている。昨年はTeslaのヒューマノイドロボット「Optimus」が大きな注目を集めたが、最近ではMeta PlatformsとAppleの両社もAI搭載ロボットアシスタントの開発競争に参入していることが明らかになった1。
こうしたニュースは見出しを飾るものの、現在ロボティクス分野で起きていることのほんの一部を映し出しているに過ぎない。今日、この業界は各社が自動化の可能性の限界を押し広げる中、活況を呈している。ここでは、すでに革新的なソリューションを展開し、業界を牽引している3社を紹介する。
Nvidia*:ロボティクスの基盤技術
Nvidiaは現在、主に人工知能関連銘柄として捉えられている。しかし将来的には、むしろロボティクス関連銘柄として認識されるようになるかもしれない。ヒューマノイドロボットの開発には、(学習、シミュレーション、ランタイムのための)3種類のアクセラレーテッド・コンピューティングシステムが必要となる。ここにNvidiaの強みがある。同社はすでに、開発者がヒューマノイドロボットシステムを構築できるよう、3種類のコンピュータおよびアクセラレーテッド開発プラットフォームを構築済みだ。
Nvidiaの技術を用いると、ロボットモデルはまず、エンドツーエンドのAIプラットフォームである「NVIDIA DGX」を搭載したスーパーコンピュータ上で学習され、物理世界を認識し、行動する能力を身につける。ここで開発者は、ヒューマノイドロボットが自然言語を理解し、人間の動作を観察することで動きを模倣できるようにする基盤モデルを開発する取り組み「Project GR00T」を活用できる。その後、「NVIDIA Omniverse」がロボットのテストと最適化のためのシミュレーション環境を提供する。最後に、学習済みのAIモデルはランタイム用コンピュータ(「NVIDIA Jetson Thor」ロボティクスコンピュータ)に展開される。この3種類のコンピュータを組み合わせたソリューションにより、開発者は複雑なタスクを精密にこなせるロボットを構築できる。こうしたロボットは、FoxconnやAmazonなどの企業が工場内で人間の作業員とともに稼働させる用途にも活用できる。
注目すべきは、1月にNvidiaがロボティクス向けの最新製品として「Cosmos」ワールド基盤モデルプラットフォームを発表したことだ。これは、モデル学習用の合成データを生成することで、フィジカルAIシステムの開発を推進するために設計された強力なソフトウェアプラットフォームである。ジェンスン・フアンCEOは発表時に、「Cosmosは、フィジカルAIを民主化し、あらゆる開発者が汎用ロボティクスを手にできるようにするために開発した」と述べた。すでにCosmosを採用しているロボティクス企業には、1X、Agile Robots、Agility、Figure AI、Galbot、Hillbot、IntBot、Neura Robotics、Skild AI、Waabi、XPENGなどが含まれる。
これらを総合すると、Nvidiaがロボティクス分野における主要プレーヤーになることは明らかだ。同社は、AIと自動化の間のギャップを埋める上で独自の強みを持つテック企業である。そしてロボティクスは、同社にとって大きな成長ドライバーとなる可能性を秘めている。2024会計年度第3四半期において、自動車・ロボティクス関連の売上高はわずか4億4,900万ドルにとどまり、総売上高350億ドルの一部に過ぎなかった。
「近い将来、動くもの、あるいは動くものを監視するものはすべて、自律型ロボットシステムになるだろう」
Nvidia
Daifuku*:マテリアルハンドリング向けロボティクス
日本はロボティクスと自動化における高い専門性で知られており、その中でも特に注目に値する企業がDaifuku(ダイフク)だ。1937年創業の同社は、マテリアルハンドリング(完成品や仕掛品の搬送)を専門とし、現在ではパレタイジング、トラックへの積み降ろし、ケースパッキングなど、さまざまな用途向けに高性能なロボティクスソリューションのフルラインナップを提供している。
Daifukuのロボティクスソリューションは目を見張るものがある。例えば、同社のロボットパレタイジングは3Dビジョンセンシングを活用し、コンベヤーから商品ケースをパレットへ自律的に積み付けることで、企業の積載効率を高めると同時に、労働災害の解消、商品破損の低減、コスト削減を実現する。Daifukuはまた、ケースを自動的に降ろすロボット技術に加え、棚から商品をピッキングし、さまざまな保管場所へ格納できる自動倉庫システム(AS/RS)も開発している。Daifukuのロボティクスソリューションを高く評価している企業の一例が、飲料メーカーのCoca-Cola Bottlers Japan, Inc.(CCBJI)だ。埼玉県にある同社の「メガDC」(自動化された物流センター)では、Daifukuの設備が、日本全国の小売業者への出荷に向けた商品の仕分け、パレタイジング、出荷準備を効率的に行うために活用されている。
財務面に目を向けると、同社は現在勢いを増している。直近会計年度2において、受注高・売上高はともに前年比6%増加し、営業利益は同36%増加した。こうした好業績を受け、株価は2021年以来の高値を付けた。今後についても、同社は世界的な自動化トレンドの恩恵を引き続き享受していくと見られる。
*2025年4月2日時点でBOTT ETFにおける組入比率4.30%
Kadant*:プロセスオートメーションのリーダー
現在勢いを増しているもう一つの自動化企業がKadant(カダント)だ。産業オートメーションのグローバルリーダーである同社は、プロセス産業における効率性の向上、エネルギー利用の最適化、生産性の最大化を実現するソリューションを提供している。
2020年、Kadantはデジタルオートメーションの専門企業であるCogent Industrial Technologiesを買収した。この買収により、同社は顧客の業務効率化を支援する上で有利な立場を確立した。現在、Kadantは製品・データ・分析を統合したデジタルトランスフォーメーションの包括的フレームワーク「illumen.X」プラットフォームを提供している。Cogentの技術を基盤とするこのプラットフォームは、プロセス産業の企業が生産性を高め、効率を改善し、パフォーマンスを最適化する上で役立つ。
2024年はKadantにとって好調な1年となった。同年の売上高は前年比10%増の過去最高となる10億5,000万ドル、調整後EBITDAは同14%増の過去最高となる2億3,000万ドル(売上高に対する比率も過去最高の21.8%)を記録した3。この結果に投資家は明らかに好感を示した。過去10年で約820%上昇してきた同社株は、通期決算の発表を受けてさらに10%上昇した。
Themes Robotics & Automation ETF
急成長を続けるロボティクス・自動化産業へのエクスポージャーに関心がある投資家は、Themes Robotics & Automation ETF(ティッカー:BOTT)に注目する価値があるだろう。本ETFは、Nvidia、Daifuku、Kadantを含むロボティクスエコシステム全体の30銘柄へのエクスポージャーを提供するSolactive Industrial Robotics & Automation Index(SOLIROBO)への連動を目指す。
1Bloomberg, "Apple and Meta Are Set to Battle Over Humanoid Robots"、2025年2月16日時点
2Daifuku, "Consolidated Financial Results"、2025年2月14日時点
3"Kadant Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2024 Results"、2025年2月12日時点