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2025年11月13日

原子力関連株:成長を後押しする5つの注目動向

リサーチ / Themesからの視点

各国政府と企業がこぞって原子力発電を長期エネルギー戦略に組み込もうとする中、原子力関連株が上昇している。今年、原子力関連株は市場の中でも特に好調な分野の一つとなっており、Oklo、Cameco、Constellation Energyなど多くの個別銘柄が主要指数を大きく上回るパフォーマンス1を記録している。

最近、原子力分野では業界の先行きを押し上げ、サプライチェーン全体に新たな機会を生み出す注目すべき動きが相次いでいる。投資家が押さえておくべき主要な5つの動向を紹介する。

米政府による800億ドル規模の原子力導入契約

米国が原子力大国を目指していることは周知の事実であり、5月にはドナルド・トランプ大統領が米国の原子力エネルギーにおけるリーダーシップ強化を目的とした複数の大統領令(EO)に署名した。そして現在、この目標に向けた具体的な進展が見られるようになっている。

例えば10月下旬、Westinghouse Electric Company、Cameco Corp、Brookfield Asset Managementは、トランプ大統領の原子力関連大統領令に沿って原子力発電の導入を加速するため、米政府と戦略的パートナーシップ2を締結したと発表した。これにより、Westinghouseの原子炉技術を用いた新規原子炉が米国全土で少なくとも800億ドル規模で建設される見通しとなっている。

このパートナーシップの下、Westinghouseは商用利用可能な原子炉の中で最も先進的とされ、MWe当たりの設置面積が市場で最小級のAP1000炉を展開する。建設後は、米国の人工知能(AI)成長を牽引するデータセンターをはじめ、さまざまな用途向けに信頼性が高く安定した電力を供給することになる。

Westinghouse AP1000 reactor powering AI growth

米陸軍、小型原子炉(マイクロリアクター)の建設へ

10月には米陸軍からも発表があり、国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit)と提携して小型原子炉を建設するプログラム3を開始したことが明らかになった。「ジェイナス・プログラム(Janus Program)」と呼ばれるこの取り組みは、国防施設や重要任務を支える、強靭で安全性が高く確実なエネルギー供給を目的としている。

このプログラムは、トランプ大統領の大統領令14299号4「国家安全保障のための先進原子炉技術の展開」に直接対応するものである。同大統領令は、国防総省に対し、2028年9月30日までに国内の軍事施設で原子炉を稼働させるよう命じている。

陸軍は声明の中で、この取り組みは国家のエネルギー優位性への大規模な投資であり、将来的な小型原子炉の広範な導入に向けた道筋を描く一助になるとの見解を示した。また、このプログラムは、信頼性が高く強靭なエネルギーを供給できる次世代電源へのコミットメントを示すものだとも述べている。

陸軍は本プログラムのパートナー企業を明らかにしていないが、契約を獲得する可能性がある企業としては、過去に米政府との協業実績を持つBWX Technologies、X-energy、Radiant Industriesなどが挙げられる。

GoogleとNextEra、原子力エネルギーで提携

公共部門から民間部門に目を転じると、最近ビッグテック業界でも注目すべき原子力関連の取引が相次いでいる。AIやクラウドコンピューティングの膨大かつ常時稼働する電力需要が、既存の送電網や間欠性のある再生可能エネルギーの供給能力を完全に上回るようになったことを受け、テック企業は電力消費の大きいデータセンターの電源として原子力に目を向けている。

ここで特筆すべきは、10月に発表されたGoogleと電力大手NextEra Energyとの取引5である。これは、データセンターやAIからの低炭素エネルギー需要の高まりに対応するため、アイオワ州唯一の原子力発電所であるデュアン・アーノルド・エナジーセンター(Duane Arnold Energy Center)を再稼働させるというものだ。

この原発は2020年に閉鎖された。当時、原子力業界は運営コストの高さや安全性に対する世間の懸念から、天然ガスやその他の再生可能エネルギーとの競争に苦戦していた。しかしそれ以降、AIの台頭によってエネルギーを取り巻く環境は大きく変化している。

規制当局の承認が得られれば、2029年までに稼働開始となる可能性がある。なお、同州最大の電力事業者であるCentral Iowa Power Cooperativeは、Googleが必要としない余剰電力を購入することに合意している。

Amazon、新型SMR施設を計画

最近原子力関連の取引6を発表したもう一つのビッグテック企業がAmazonだ。10月中旬、同社はワシントン州における先進的な原子力施設の計画を発表した。

この提携の下、Amazonはワシントン州の電力会社Energy NorthwestおよびSMR(小型モジュール炉)開発企業X-energyと協力し、X-energyの先進的な原子炉設計を用いて最大12基のSMRを建設する。三社は共同で、「Cascade Advanced Energy Facility」と呼ばれる最先端のSMR施設を建設する計画だ。

この施設は、AmazonのAIをはじめとする各種技術に電力を供給する役割を担うもので、コロンビア川沿いにあるEnergy Northwestの既存の原子力発電所、コロンビア発電所(出力1,207MW)に隣接して建設され、既存の原子力インフラや専門知見を活用する。Amazonは、同施設が自社の炭素排出量削減とサステナビリティ目標の達成に寄与するとともに、送電網に新たな電源をもたらすと考えている。

Oklo、原子力安全設計協定(NSDA)についてDOEの承認を取得

最後に触れておきたいのが、11月11日にOkloが発表7した、米エネルギー省(DOE)によるAurora Fuel Fabrication Facility向け原子力安全設計協定(NSDA)の承認である。DOEの「先進原子燃料ライン・パイロットプロジェクト」への参加案件として選定されたこのNSDAは、わずか2週間弱で承認されており、米国における新たな原子力認可プロセスの有効性を示す形となった。

アイダホ国立研究所(INL)内に位置するAurora Fuel Fabrication Facilityは、Oklo初の商用規模発電施設「Aurora-INL」向けの燃料を製造する。同発電施設は2027年後半から2028年前半にかけての稼働開始が見込まれている。

原子力関連株への投資機会

これらを総合すると、現在の原子力分野では多くの動きが同時進行していることが分かる。米政府が先進原子炉プログラムを急速に展開しているだけでなく、ビッグテック企業も積極的に原子力エネルギーに関与し始めているのだ。

原子力関連株の投資家にとって、まさに刺激的な局面と言えるだろう。エネルギー業界のこの分野では政策面での後押しと技術革新の加速が同時に進んでおり、今後数年にわたり多くの投資機会が生まれる可能性が高い。

出典:

1Google Finance、2025年11月12日時点

2Brookfield、米国政府、「Brookfield and Cameco Announce Transformational Partnership to Deliver Long-term Value Using Westinghouse Nuclear Reactor Technology」、2025年10月28日時点

3米陸軍、「Army announces Janus Program for next-generation nuclear energy」、2025年10月14日時点

4The American Presidency Project、「Executive Order 14299 - Deploying Advanced Nuclear Reactor Technologies for National Security」、2025年5月23日時点

5NextEra Energy、「NextEra Energy and Google Announce New Collaboration to Accelerate Nuclear Energy Deployment in the U.S.」、2025年10月27日時点

6Amazon、「How Amazon is helping to build one of the first modular nuclear reactor facilities in the United States」、2025年10月16日時点

7Business Wire、「Oklo Announces U.S. Department of Energy Approval for Nuclear Safety Design Agreement of Aurora Fuel Fabrication Facility」、2025年11月11日時点

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