リチウムがEV革命を牽引する
現在、電気自動車(EV)の大部分はリチウムイオン電池を採用している。これらの電池は出力対重量比に優れ、高温環境下でも良好な性能を発揮する。そして近年、こうした電池のコストは大幅に低下している。これにより、自動車メーカーは手頃な価格でEVを生産できるようになった。
EV市場の成長とバッテリー需要
電気自動車市場は今後、年平均成長率(CAGR)23%で拡大し、2034年までに2兆4,530億ドル規模に達すると見込まれている。この成長は、政府による優遇規制・インセンティブ、充電インフラの拡充、車両価格の低下、持続可能なモビリティへのシフトなど複合的な要因によって牽引されると見られる。EV市場の拡大に伴い、EV用バッテリー市場も拡大する可能性が高い。Zion Market Researchによると、EVバッテリー市場は2022年の564億ドルから、2030年には2,155億ドル規模に達する見通しである。
リチウムの供給不足
今後を展望すると、世界的なEVブームを背景に、リチウム需要は大幅に増加するとアナリストは予想している。国際エネルギー機関(IEA)によると、EV市場の成長により、2040年までにリチウム需要は最大40倍に増加する可能性があるという1。これは今後、深刻な供給不足につながりかねない。IEAの予測では、2030年までに供給は世界需要の70%未満2しか満たせないとされている。EVメーカーにとって、リチウムの供給不足は重大な脅威である。その証左として、テスラは現在、テキサス州に自社のリチウム精製施設を建設している。これは、リチウムを含む鉱石をEV用バッテリーの主要原料であるリチウム水酸化物へと転換するものである。テスラが自社リチウム工場の建設に踏み切ったことは、この重要なバッテリー金属を安定的に確保しようとする同社の姿勢を示すものであり、特に中国をはじめとする海外のリチウム生産者への依存を減らす上で大きな一歩となる。
拡大するバッテリー需要
バッテリーは決して新しい技術ではない。長年にわたり、ノートパソコン、携帯電話、時計、電卓、電動工具といった電子機器の電源として使われてきた。しかし、近年のバッテリー技術の進歩と、重量のある鉛蓄電池やカドミウム電池から高出力のリチウムイオン電池への移行により、バッテリーは世界経済においてはるかに大きな役割を担うようになっている。今日では、リチウムイオン電池はBluetoothヘッドホンから補聴器などの医療機器に至るまで、あらゆる製品に搭載されている。
今後を展望すると、バッテリー市場は大幅な成長が見込まれる。電気自動車市場の成長に加え、再生可能エネルギーへの世界的なシフトが主要な成長ドライバーになると見られる。世界がクリーンエネルギーへの転換を進め、化石燃料からの脱却を図るには、太陽光や風力といった再生可能エネルギーから生まれる電力を貯蔵し、後で放出することを可能にする蓄電システムへの大規模な投資が不可欠となる。こうしたシステムは、日照がない時間帯や風が弱い時間帯があることを踏まえると、クリーンエネルギーのエコシステムにおいて重要な役割を果たす。リチウムイオン電池は比較的小さなスペースに大量のエネルギーを貯蔵できることから、蓄電システムに適している。そのため今後、住宅用(小規模)および系統用(大規模)の両方の蓄電用途で活用が進むと見られる。
リチウムイオン電池に必要な6つの重要金属

Themes Lithium & Battery Metal Miners ETF
Themes Lithium & Battery Metal Miners ETF(LIMI)は、リチウムおよびバッテリー金属の採掘、探鉱、精製、ロイヤルティから収益を得ている企業を選定するBITA Global Lithium and Battery Metals Index(BGLISI)への連動を目指す。バッテリー金属へのポートフォリオ・エクスポージャーを求める投資家向けに設計された本ETFは、こうした金属の採掘・生産に携わる約50社へのアクセスを提供する。
脚注:
1Precedence Research、「Electric Vehicle Market Size, Share and Trends 2025 to 2034」、2025年1月15日時点
2IEA、「Anticipated supply and projected demand for lithium in the Net Zero Scenario, 2030」、2023年9月22日時点




