2026年に入り、ヒューマノイドロボットが次の一大技術トレンドとなる可能性が明確になりつつある。今日、ヒューマノイドは動的環境下で複雑な自律タスクをこなせるまでに進化しており、各メーカーは量産体制の構築を急いでいる。
そうしたメーカーの一つが、中国の自動車メーカーXPengだ。同社は高度なヒューマノイドロボット「IRON」を開発しており、年内の量産開始を目指している。
IRON:2026年に登場する高度なヒューマノイドロボット
XPengが最近実施した2025年第4四半期決算説明会1で、経営陣はIRONの特徴と将来性について時間を割いて説明した。レベル4自動運転向けに設計されたTuring AIチップを3基搭載し、Physical AI(フィジカルAI)を支える次世代AI基盤モデルであるVLA 2.0技術スタック、そして第4世代モーション制御システムを備えることで、業界内のほとんどのロボットを凌駕するエッジコンピューティング性能と、業界最高水準の俊敏性・モーション制御を実現している。
用途としては、IRONは商業、産業、家庭という3つの主要な応用シナリオに注力する。初期展開では、中国内外のXPengの店舗やキャンパスにおいて、受付、案内、および店舗接客支援を担う予定だ。
生産面では、同社はすでに広州でヒューマノイドロボットの量産拠点の建設に着手している。今後の見通しとして、年内に月産1,000台超の実現を目指している。
XPengは、自動車の量産で培った知見を活用することで、世界最大級のヒューマノイドロボット企業の一角になれると考えている。なお、経営陣はヒューマノイドロボットが1兆~10兆ドル規模のグローバル市場機会になるとみている点も注目に値する。

ヒューマノイドロボットのサプライチェーンを読み解く
ここまでは魅力的な話に聞こえるが、投資家はXPengのようなヒューマノイドロボットメーカーが今後数年間でいくつもの課題に直面することになる点を念頭に置くべきだ。一つは競争環境だ。現在、Tesla(Optimus)、UBTECH(Walker C、Walker X、Walker S、Walker S1)、Richtech Robotics(Dex)など、複数の企業がすでにプロトタイプを発表している。
もう一つの課題はサプライチェーンの構築だ。高度なヒューマノイドロボットは1万点を超える部品で構成される場合があり、信頼性が高くスケーラブルなサプライチェーンを確立することは、メーカーにとって膨大な物流上の取り組みとなる。
なお、高トルク密度アクチュエーター、波動歯車装置(ハーモニックドライブ)、触覚センサーといった多くのヒューマノイド向け部品は「既製品」ではない。これらには量産能力を欠く可能性のある専門的なティア1サプライヤーが必要となる。
製造面での課題を踏まえると、ヒューマノイドロボット関連銘柄へのエクスポージャーを求める投資家は、サプライチェーン内の投資機会をより詳しく検討する価値がある。Goldman Sachs2は、今後数年間で最良の投資機会はまさにこの分野にあると考えている。
脚注:
1Yahoo Finance、XPeng Inc.(XPNGF)2025年度第4四半期決算説明会トランスクリプト、2026年3月20日時点
2Goldman Sachs、ヒューマノイドロボットの世界市場は2035年までに380億ドルに達する可能性、2024年2月27日時点
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