防衛関連株は2025年の市場において最も好調なセクターの一つとなっている。高まる地政学的不透明感と、NATO加盟国の防衛予算の大幅な増額を追い風に、同セクターは力強い上昇を見せている。
最近、Lockheed Martin、RTX Corp、Northrop Grummanが10月21日に2025年第3四半期決算を発表し、防衛関連の主要企業の業績が明らかになった。2026年に向けて、売上高・利益のトレンドに加え、受注残高や業績見通しについて見ていく。
Lockheed Martin製品への「前例のない需要」
まずLockheed Martinから見ていく。同社は世界最大の防衛関連企業であり、航空機、ミサイル・火器管制、回転翼・ミッションシステム、宇宙など幅広い分野で事業を展開している。
Lockheedの2025年第3四半期1の売上高は186億ドルで前年同期比8.8%増となり、市場予想2の185億5,000万ドルをわずかに上回った。EPSは6.95ドルで前年同期比2.2%増となり、アナリスト予想の6.36ドルを大きく上回った。同四半期のフリーキャッシュフローは33億ドルで、2024年第3四半期の21億ドルから増加した。四半期末時点の受注残高は過去最高の1,790億ドルとなり、売上高の2年半分以上に相当する水準だった。
個別事業を見ると、ミサイル・火器管制部門は好調で、売上高は前年同期比14%増の36億ドルとなった。F-35戦闘機を製造する航空機部門も好調で、売上高は11.9%増の73億ドルだった。
業績見通しについては、Lockheed Martinは2025年通期の売上高見通しの下限を引き上げるとともに、通期EPS見通しも上方修正した。売上高見通しは742億5,000万〜747億5,000万ドル、EPS見通しは従来の21.70〜22.00ドルから22.15〜22.35ドルへ引き上げられた。
今後については、経営陣は米国およびその同盟国の防衛上の優先課題に対応するため、新たなデジタル技術と生産能力の両面に積極的に投資していると述べた。ジム・タイクレットCEOは、現在「前例のない需要」が発生していると指摘し、米国のゴールデンドーム・ミサイル防衛システム構想が今後の主要な成長ドライバーになるとの見方を示した。

RTX、弾薬受注が好調
世界最大の航空宇宙・防衛企業であるRTXも、市場予想を上回る決算3を発表した。同四半期の売上高は225億ドルで前年同期比12%増となり、コンセンサス予想の213億ドルを大きく上回った。調整後EPSは1.70ドルで17%増となり、コンセンサス予想の1.41ドルを大幅に上回った。フリーキャッシュフローは前年同期比104%増の40億ドルだった。
同社の防衛部門Raytheonの売上高は70億ドルで前年比10%増となった。この増加は、パトリオットシステムを含む地上・防空システムの出荷増加、および海軍向けプログラムの出荷増加によるものだ。同部門の調整後営業利益は8億5,900万ドルで、2024年第3四半期比1億9,800万ドル増加した。経営陣は決算説明会で、第3四半期中に弾薬関連で80億ドル以上の受注を獲得したと述べ、その中にはAMRAAM空対空ミサイルの21億ドルの受注が含まれ、これは同プログラム30年の歴史で最大の受注4になるという。
今後については、RTXは通期の売上高・利益見通しをいずれも上方修正した。調整後売上高見通しは従来の847億5,000万〜855億ドルから865億〜870億ドルへ、調整後EPS見通しは従来の5.80〜5.95ドルから6.10〜6.20ドルへ引き上げられた。受注残高は四半期末時点で2,510億ドルとなり、このうち1,030億ドルが防衛関連だった。
この好調な業績を受け、複数の証券会社が同社株の目標株価を引き上げた5。Morgan Stanleyは180ドルから215ドルへ、Susquehannaは175ドルから205ドルへそれぞれ引き上げた。
Northrop Grumman、防衛システムへの高い需要
最後にNorthrop Grummanを見ていく。同社は先進兵器、航空機、ミサイル防衛、ミッションソリューション、宇宙分野を専門としており、米政府にとって重要な防衛パートナーとなっている。
2025年第3四半期6のNorthrop Grummanの売上高は104億ドルで前年同期比4%増となった。EPSは7.67ドルで、2024年第3四半期の7.00ドルから増加し、コンセンサス予想の6.46ドルを大きく上回った。同四半期のフリーキャッシュフローは12億5,600万ドルで、前年同期の7億3,000万ドルから増加した。四半期末時点の受注残高は914億ドルだった。
Northrop Grummanの第3四半期決算で特に目を引いたのが防衛システム部門である。同部門の売上高は14%増、営業利益は46%増となった。この好調は、兵装プログラムの出荷増加、統合戦闘指揮システム(IBCS)プログラム群における新規受注の増加、そして米空軍向けに開発中の次世代大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムSentinelの売上増加によって支えられた。
今後については、同社は2025年通期のEPS見通しを引き上げた。EPS見通しは従来の25.00〜25.40ドルから25.65〜26.05ドルへ修正された。

Northrop Grummanの第3四半期決算発表以降、複数の証券会社が同社株の目標株価を引き上げている7。JP Morganは585ドルから640ドルへ、Susquehannaは650ドルから690ドルへそれぞれ引き上げた。
成長に向けた良好なポジショニング
これらの決算を踏まえると、とりわけNATO加盟国による防衛費の増額が、世界の防衛関連企業の業績に極めて大きなプラスの影響を及ぼしていることがわかる。要するに、防衛システムへの旺盛な需要が、各社の大幅な売上高・利益成長と過去最高水準の受注残高につながっているということだ。
脚注:
1Lockheed Martin Newsroom、Lockheed Martin Reports Third Quarter 2025 Financial Results、2025年10月21日時点
2CNBC、Defense companies raise 2025 outlooks on higher demand、2025年10月21日時点
3RTX、RTX Reports Q3 2025 Results、2025年10月21日時点
4Investing.com、Earnings call transcript: RTX beats Q3 2025 forecasts, stock surges、2025年10月21日時点
5Investing.com、Rtx Corp (RTX)、2025年10月28日時点
6Northrop Grumman、Northrop Grumman Reports Third Quarter 2025 Financial Results、2025年10月21日時点
7Investing.com、Northrop Grumman (NOC)、2025年10月28日時点