人工知能(AI)の爆発的な普及により、半導体、いわゆる「チップ」は不可欠な資源となった。ChatGPTやClaudeのような生成AIアプリケーションから、データセンター、ヒューマノイドロボットに至るまで、この技術は演算能力をチップに依存している。
本稿では、現在AIというテーマの中心に位置する4つの半導体関連銘柄を取り上げる。データセンターの構築が加速し、演算能力への需要が高まる中、これらの企業は驚異的な成長を遂げている。
Nvidia:2027年まで続く旺盛なGPU需要
AI向け半導体について語るうえで、Nvidiaを外すことはできない。同社は高性能GPUによってほぼ単独でAI革命を牽引してきたと言っても過言ではなく、それは過去5会計年度で170億ドルから2,160億ドル1へと急拡大した売上高にも表れている。
3月、投資家はGTCカンファレンスでNvidiaのAIロードマップを目にすることとなった。同社はここで、新プラットフォーム「Vera Rubin」を発表2した。現在フル生産段階にあるこのプラットフォームは、7種類のNvidiaチップが一体のAIスーパーコンピューターとして連携動作する仕様であり、事前学習、事後学習、テスト時のスケーリングから、リアルタイムのエージェント型推論まで、AIのあらゆる段階を支えるよう設計されている。需要面について、ジェンスン・フアンCEOは、RubinとBlackwell(現行世代)チップを合わせて、2027年までの累計売上高が1兆ドルに達すると見込んでいると述べた。
なお、GTCでフアン氏は、Groq 3 Language Processing Unit(LPU)についても発表した。Rubinプラットフォームの一部であるこの製品は、エージェント型システムの要求に応える超高速推論チップだ。これに加え、同社は128基のGroq 3 LPUを搭載したサーバーラック「Groq 3 LPXプラットフォーム」も投入した。これらの新製品をポートフォリオに加えたことで、Nvidiaは競争激化にもかかわらず、AI革命において引き続き主要な役割を担う立場を維持していると言える。
Amazon:3桁成長を遂げる半導体事業
将来的にNvidiaの有力な競合となり得る企業の一つがAmazonだ。同社は自社のAIチップについて、これまであまり評価されてこなかったが、事業の規模や成長についての情報を最近投資家に開示したことで、その状況は変わりつつあるようだ。
4月前半に公開されたAmazonの2025年度年次書簡3の中で、アンディ・ジャシーCEOは、同社の半導体事業が「絶好調」であると述べた。また、同事業は「多くの人が想像するよりもはるかに大規模になる」とも述べた。より具体的には、ジャシー氏は、比較可能なGPUと比べて価格性能比が約30%優れている同社のTrainium2チップがほぼ完売状態にあるとした。一方、2026年初めに出荷を開始したばかりで、Trainium2比で30~40%価格性能比に優れるTrainium3も、ほぼ予約で埋まっている状態だという。
収益面では、ジャシー氏は、半導体事業(Trainium、Graviton、Nitroを含む)の年間売上高換算(ラン・レート)は現在200億ドルを超え、前年同期比で3桁のパーセンテージ成長率を続けていると述べた。ただし、もし半導体事業が独立した事業体として、他社に製品を販売していたとすれば、その年間換算売上高は500億ドル近くに達していたはずだとも指摘した。

Amazonが自社でチップを設計・生産していることが、効率面で大きな強みとなっている点にも注目すべきだ。年次書簡の中でジャシー氏は、Trainiumによって同社は年間数百億ドル規模の設備投資を節約でき、推論用に他社チップに依存する場合と比較して数百ベーシスポイント分の営業利益率の優位性が得られると見込んでいると述べた。
Broadcom:GoogleおよびMetaとの大型チップ契約
現在AI分野で成功を収めているもう一つの半導体設計企業がBroadcomだ。同社はAlphabetやMeta Platformsなどの企業向けにカスタムチップ(同社は「XPU」と呼ぶ)を製造しており、ハイパースケーラーがNvidiaへの依存度を下げようとする中で高い需要を得ている。
4月6日、Broadcomは、次世代AIラック向けの次世代カスタムAIチップおよびその他コンポーネントを2031年まで開発・供給する長期契約をGoogleと締結したと発表4した。同日、同社はAnthropicとの契約も拡大したと発表し、これによりAnthropicはGoogleのAIプロセッサを活用した約3.5ギガワット相当の演算能力にアクセスできるようになった。
その直後の4月14日5、Broadcomは、Metaがそのアプリ全体でAI機能を支えるために必要な演算能力を構築する中で、複数世代にわたるカスタムAIプロセッサの生産でMetaと協業すると発表した。この提携は2029年まで続き、当初のコミットメントは1ギガワット超の演算能力に及ぶ。
こうした契約を見ると、第1四半期にAI関連製品で前年同期比106%6の成長を記録したこの半導体企業が、AI革命に不可欠な存在になりつつあることは明らかだ。ハイパースケーラーが「Nvidia一辺倒」のモデルから、より分散化・多層化したインフラへと軸足を移す中、各社はBroadcomへの依存度を高めている。
Taiwan Semiconductor:AI半導体生産の王者
Nvidia、Broadcom、Amazonに共通する点が一つあるとすれば、それはいずれも生産をTaiwan Semiconductor Manufacturing Companyに依存していることだ。同社は世界で最も支配的な半導体メーカーであり、それは業績の伸びにも表れている。
4月16日、Taiwan Semiは2026年第1四半期決算7を発表し、非常に好調な内容となった。同四半期の売上高は1兆1,341億台湾ドル(約359億米ドル)で、前年同期比35.1%増。純利益は5,724億8,000万台湾ドルで、前年同期比58.3%増となった。なお、先端技術(7nm以下)がウエハー売上高全体の74%を占め、3nmの出荷はウエハー売上高の25%を占めており、業績が高性能AIインフラの世界的な構築と切っても切れない関係にあることは明らかだ。
今後の見通しについて、TSMCは2026年の売上高成長率予想を上方修正した。米ドルベースで2025年比30%超の増収を見込んでいる8。設備投資については、同社は2026年の資本予算を520億~560億ドルのレンジの上限に近づける方針を示している。この資本は、先端プロセス技術、先端パッケージング、そしてグローバル展開に重点的に投じられる予定だ。
AI半導体銘柄への投資
投資家は、これらの企業がいずれも現時点で成功を収めているとしても、その状況が今後も続く保証はない点に留意すべきだ。したがって、これらの企業に直接投資することにはリスクが伴う。
このリスクを軽減する一つの方法として、Themes Generative AI ETF(WISE)のような人工知能関連ETFを選ぶという選択肢がある。この種の商品を通じて、投資家は複数のAI半導体関連銘柄に一括してエクスポージャーを得ることが可能になり、個別銘柄リスクを抑えつつ、業界の成長を捉えるポジションを維持できる可能性がある。
開示事項:著者はNvidiaおよびAmazonにポジションを保有しています
脚注:
1LSEG、2025年4月22日時点
2Investing.com、NVIDIA at GTC 2026: AI Expansion and Strategic Partnerships、2026年3月16日時点
3Amazon News、CEO Andy Jassy's 2025 Letter to Shareholders、2026年4月9日時点
4Reuters、Broadcom signs long-term deal to develop Google's custom AI chips、2026年4月7日時点
5Broadcom、Broadcom Announces Extended Partnership with Meta to Deploy Technology to Support Multi-Gigawatts of Meta's Custom Silicon, MTIA、2026年4月14日時点
6Broadcom、Broadcom Inc. Announces First Quarter Fiscal Year 2026 Financial Results and Quarterly Dividend、2026年3月4日時点
7TSMC Reports First Quarter Earnings、2026年4月16日時点
8TSMC 2026 First Quarter Earnings Conference、2026年4月16日時点
執筆者は、Themes Management Company LLCの米国関連会社であるLeverage Shares LLCの業務委託先です。Leverage Shares LLCは、会社間サービス契約に基づきThemesへ一定のサービスを提供しています。